「安全・安心・クリーンなかごしま茶づくり」運動(トレーサビリティー)
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最近の、食品を取り巻く状況は、消費者の食の安全、安心に対する不安から、生産履歴の開示等、安全を求める機運が高まっております。国は食品基本法を制定して、安全な食材の供給体制を図ることとしております。 鹿児島県の茶業界は時代の要求を先取りして、平成5年から「安全・安心・クリーンなかごしま茶づくり」運動を展開して、業界あげて体制をつくり、取り組んでいます。 さらに鹿児島県のお茶は平成15年産の新茶生産を前に、生産履歴を開示する「安全・安心・信頼システム」を構築、3月1日からスタートしました。 鹿児島茶はすべての生産茶に茶園の栽培管理記録を、全製茶工場に荒茶の製造・加工記録の記帳を義務づけ、常時安全性を立証できる全県統一体制です。 全国に先駆けたこの取り組みは、全国の茶流通業界に情報発信し、「かごしま茶」の拡販と銘柄浸透のため、攻めの戦略に努めております。 安全・安心・信頼システムは鹿児島県のお茶から、生産の着実な継続と産地表示基準の適正化は、表裏一体となり、「かごしま茶」の評価と銘柄浸透に大きく効果を発揮するものと期待します。 |
「九州お茶まつり鹿児島かわなべ大会」・(園揃え・赤焼け病対策風景)
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九州お茶まつり鹿児島かわなべ大会 「九州お茶まつり鹿児島かわなべ大会」が2006年11月川辺町で開かれた。九年ぶりに県内で行われる大会には茶業関係者ら三千人が参加し、九州産茶の一層の飛躍を誓った。
お茶栽培発祥の地であり、温暖な気候に恵まれた九州全体では全国の荒茶生産量の三割を占めており、高品質の茶産地として市場や消費者からの評価も高い。 だが、全国一の産地・静岡の牙城を崩すのは容易でない。 長年、仕上げ茶の原料供給地の地位に甘んじてきたうえ、銘柄確立という面でも静岡茶や宇治茶の後(こう)塵(じん)を拝してきた。 大会は、良質の九州産茶を全国に売り込むにはまたとない機会だ。 安心、安全な茶の情報発信に努め、銘柄確立と販路拡大に弾みをつける必要がある。 なかでも、二〇〇五年に二万三千九百トンの荒茶を生産し、シェア24%に達した鹿児島県が果たすべき役割は大きい。 鹿児島では広大な茶畑を生かす大型機械の普及に伴い、規模拡大と省力化が進んでいる。全国的に廃園が目立つ中、〇六年の茶栽培面積は前年比七十ヘクタール増の八千四百六十ヘクタールに膨らんだ。 全国に先駆けた生産履歴管理(トレーサビリティー)システムは加工流通業者に支持され、消費者の信頼獲得にもつながっている。 大会は(1)生産基盤の近代化推進(2)地域特性を生かして生産拡大(3)多様なニーズに対応した良質茶の安定供給と消費拡大―などを目標に掲げている。 こうした目標を達成するには、鹿児島の先駆的取り組みは参考になるに違いない。 結束の強化に役立てて、九州全体の地位向上を目指す。 今年の全国茶品評会では普通煎茶(せんちゃ)で知覧町、玉露で福岡県星野村、蒸し製玉緑茶で志布志市、釜炒(い)り製玉緑茶で天草市の農家が最高賞に輝いた。多様で優れた茶を作れる産地を持つことは九州の強みだ。 こうした特性を生かせば、九州ブランドは揺るぎないものになるはず。 会場となる川辺町の茶栽培面積は二百七十ヘクタールあり、八百五十七トンの荒茶を生産する県内第九位の産地だ。今年の九州茶品評会では煎茶で初めて産地賞を受け、個人賞も上位をほぼ独占した。大会にかける農家の意気込みが感じられる。 昨年12月の川辺と知覧、頴娃の三町合併で栽培面積、生産量とも日本一の茶産地が誕生する。 名声を高める武器となるはずで、今後の三町の結束と取り組みも注目されている。 2008年の南九州市の誕生は合併すると荒茶生産量はトップの牧之原市(静岡県)を大きく上回る一万三百トン。質量ともに日本一を目標に、既に動き出している。
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